駄説「アイドルとは賢者の石である」


いきなりなにを言い出すんだと思われたでしょうか。
このブログになじみのある方(どれくらいいるんだか)は、コイツついに狂ってしまったかと思われたでしょうか。

狂っていません。
至って正常、冷静、真面目です。

事の発端はだいぶ前の記事

無事に生きていられて発売日を迎えられることに感謝。
まあ発表から今日までになんか事故とか遭ってたとしても無傷で生還したか一命を取り留めて驚異的に回復したか最悪の状態から生き返った自信ある。(?)

この先だって、なにがなんでもTTT100万回見るまでは死ねないし、ONESコンDVD100万回見るまでは死ねないし、新曲出るまでは死ねないし、昔のコンDVD全部集めて100万回見るまでは死ねないし、えっととりあえずこの先1万年くらい死ぬ予定ないです。
怪我する予定も病気になる予定もないです。
V6延命装置かよ。賢者の石かよ。

「賢者の石」はご存知ハリーポッターシリーズの第一巻のタイトルがあまりにも有名で言わずもがなだけど、「賢者の石」とはなんぞやということを一応確認しておく。

賢者の石【けんじゃのいし】

卑金属を貴金属に変える力をもつと考えられた物質。
病気にかかっている卑金属を治療し健康な貴金属に戻すとされ、したがって人体に対しても病気治療・不老不死の効果があると考えられて、熱心に探究された。

〈出典:株式会社平凡社 百科事典マイペディア〉

まず、賢者の石には、副次的な要素ではあるけれども「人体に対しても病気治療・不老不死の効果がある」とされていて、ハリポタでの扱いは不老不死の効果に主眼が置かれていた。
わたしが以前「V6延命装置かよ」という感想に続けて「賢者の石かよ」と言ったのはそういうわけである。

わたしは前々からV6がいる限り死ねないとわりと本気で思っている。
V6を好きになって人生が変わった。
淡々と生きてたけどそれはそれは豊かになった。
生きることに執着がなくて出来るだけ短く人生終えたいと思ってたけど、少なくともV6がいる限り、そして彼らの曲を聴きたい、映像でも姿を観たいと1ミリでも思える限り、わたしは生きたい。死ねない。
とにかくすごく大袈裟に言うとV6と出会ったわたしの世界と人生は様変わりし、淡々と生きていたわたしに生きる意味と希望を見出させてくれたのだ。
リアル精神安定剤だった時期も実はある。
そのあたりはまあ具体的に書いてもしょーがないのでとりあえずそういうことなんだということで横に措く。

とにかく、応援したいアイドルがいると頑張れる。
彼らの新しいお仕事が発表されたらそれだけで歓喜だし、その日まで絶対生きてやる、と決意を新たにする。

コンサートや舞台、番協などのチャンスがくれば何ヶ月先だろうとその日までに痩せよう綺麗になろうなど普段ほったらかしの女子力も底上げする意欲が沸いてくる。
普段から高めている女子はいっそう気合を入れて励む。

高倍率のチケットをなんとしてでも手にするために、神と運を味方につけるべく当落発表の日まで清く正しく美しく、善行に勤しみ徳を積んで生きるようにもなる。

発売日や参戦日が決まれば狂喜乱舞、その日までさらに徳を積み美容に励み、新しい服やアクセサリーや化粧品やいろいろを用意して、心身内外に磨きをかけまくる。

怪我や病気になったって、参戦したい気持ちが強ければ気合いで治る。らしい。
わたしはまだ経験ないけれども、以前Twitterかどこかでご家族の話としてそんなようなエピソードを拝見したことがある。

嫌なこと悲しいことつらいことがあっても「あと○日後には放送日/発売日/参戦日!」と思えばだいたい踏ん張れるし、現場参戦後やCD・DVD発売直後の余韻も侮れない。
しばらくは夢のひと時を思い出すだけで幸せいっぱい、ニヤニヤしてるうちに憂鬱な日々だっていつの間にか乗り越えられてしまう。

実際はこんな程度ではなく、ありとあらゆる点でアイドルはファンの「生きる意欲」を刺激する。
それは単に翌日を迎えることの繰り返しの漠然とした「生」を促すに留まらず、ファンたちが自主的に目標を定めて主体的に努力・行動し、困難をも跳ね除けるという充実し気力に満ちた積極的な「生」を結果としてもたらしている。

と、ここまで熱弁を奮ったところでアレだけれども、そんなことはわたしなんかに言われずともアイドルファンやってる方ならどなたでも日々実感しているようなごくごく当たり前のことである。

そこで改めて賢者の石の定義を確認したい。
賢者の石はそもそも、不老不死の霊薬である前に錬金術なのである。

錬金術【れんきんじゅつ】

卑金属を貴金属(特に黄金)に変成させる技術、また不老長寿の薬や万能薬を製造する技術の称。

〈出典:株式会社平凡社 百科事典マイペディア〉

貴金属、黄金を錬成する。
転じて、「錬金術」という言葉はスラング的に「お金を稼ぐ」的な意味で使われなくもない。のか?
少なくともわたしが学生の時バイトすることを錬金する、錬金術と言うことがあった。*1連勤バイト充勢(わたしも。社畜とも言う)が多いバイトだったので連勤と錬金をかけた言葉遊び的な意味もあったと思う。大学生言葉というか一般的な言い回しだったかどうかは知らない

V6のファンになる前、アイドルファンをやっている人を見て、わたしはどこにそんな金があるんだと不思議でならなかった。

ファンクラブの会費を払い、雑誌を買い、写真を買い、見た目が違うだけの同じCDやDVDを何枚も買い*2握手券とか入ってる系は知ってたけど、特典とか収録内容でバージョン違いがあるのを長らく知らなかった。世間知らず。、高いチケットを買い、何度も日本全国を飛び回り、現場に行ってはグッズを買い、それを年がら年中やっていて、しかも、「金なら出す」「金ならある」とことあるごとにおっしゃるではないか。

もう、なんなんだと。
どこにそんな金があるんだと。
どこからその金は湧いてくるんだと。

本当にファンはことあるごとに「金なら出す」「金ならある」と口々に言う。
口に出さなくてもきっとみな頻繁に思っている。*3バイト出来ない世代の子はおいといて、でも働くようになったら言うようになる。思うようになる。きっと。
望むものが実現していない時の常套句のようなものだ。

ファンのいう「金なら云々」はどこぞのセレブリティや成金、石油王や王族などが有り余る金にものを言わせたそれとは違う。

当たり前だ。
私見で超絶乱暴な括りでいうと「ファン」とは「普通の人」がほとんどである。
ありあまる富を有するセレブリティはいない。
いやいるにはいるんだろうけど、それでも半数は超えないだろう。

で、えっと。
普通に働いて(あるいは主婦で)、普通に生活している人が大半なのに、金なら云々というのはなんなのか。
ひとりで普通に生活するのにだって結構な金がかかるこの世の中、お子さんはじめご家族、ペット、その他いろいろにたくさんお金をかけながら、「ファン活動」という通常真っ先に削られるはずの娯楽費にまで多大なお金をかけられるのはなぜなのか。

本当はそんなに金があるわけでは必ずしもない。
しかしなんとも説明しがたいことに、なぜか、ファン活となると金がある
これはファン活とそれに類するものを何かしらしたことある人でないと「ちょっとなに言ってるかわかんない😇」であろうが、ともかく金はないけどあるのだ。
日々の生活ではちょっとケチって節約しても、ファン活にかけるお金はケチらなくてもたいていなぜかなんとかなるのである。

この不思議な現象を錬金術と言わずしてなんと言うのか。
まったくなにを言ってるかわからないだろうけれども、自分でも言葉にしたらわけわからなくなったけれども、とにかく、そういうことだった。
これはファン活を始めて知った最も驚くべき現象だった。

はあ、もうこの説明口調疲れるから止めるけど、とにかくね、なぜかお金があるという意味でも、単純にときめきや幸福感、生きる力という得がたいものを簡単に叶えてしまう魔法という意味でも、アイドルってのは錬金術や賢者の石みたいな奇跡的で貴重な存在ってわけさ。(急に雑なまとめ)

脚注[+]